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漢方の力

変形性腰椎症で来院中の内科の先生と新型コロナの話から漢方薬についての講義へ。

新型コロナへの効果は未知数だがインフルエンザと同様と考えるなら答えられるとの前置き。
抗炎症作用が認められ、タミフルやリレンザと同等の効果が科学的に報告があるのが、「麻黄湯  マオウトウ」。特に小児科で抗ウイルス薬と大差ないとの論文もあるそうです。また、麻黄湯と同等効果が期待されるのが「銀翹散 ギンギョウサン」。
対ウイルスを標的とするなら抗ウイルス薬の方が良いが、東洋医学的治療を施す標的は症状。個人個人の個体差の症状と経過に合わせて処方されることで効果が上がる。
例えば、一般的に風邪の代表的な軽度な症状の段階においての頭痛、発熱、悪寒、に「葛根湯 カッコントウ」、進んで高熱、倦怠感が強まった段階で「麻黄湯」、熱が下がった段階で「柴胡桂枝湯 サイコケイシトウ」、食欲が充分に取れるまで回復した段階で「竹如温胆湯 チクジョオンタントウ」と処方するなど、単一の原因を取り除くのではなく、症状を抑えて自己の回復を促すのが漢方。最近の研究では免疫の暴走「サイトカインストーム」を抑える効果があるも言われているそうです。
漢方は何千年もかけての遺産だと教えてくれました。
しかしながら、何よりの薬は「よく寝て、よく食べて、よく動く」だそうです。