運動療法の驚異

60代左変形性膝関節症で来院した方。何と覚えてるだけで80回以上ヒアルロン酸やNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)を注射したそうです。ドクターには毎回これで治るよと言われ、真面目に注射、ロキソニン(消炎鎮痛剤)を処方されています。

そんなに注射してる方は病院勤務時代から思い出してもなかなかいません。しかも、そんなに注射してるのに膝が90°も屈曲できず、しっかりと伸ばすことができません。平地を歩くのも引きずり、階段の登り降りが痛みます。注射しても効果を感じるのは半日もなく、飲み薬も効果なく、胃が痛くなる有り様。ドクターに言っても時間が掛かるが大丈夫と言うばかりで、3年近くが過ぎたそうです。
ともかく、施術は関節可動域を広げるべく、筋肉を緩め、関節可動域訓練を施す。施術後には110°位までは改善。そこからは筋肉増強訓練。今の状況に合わせての筋トレを指導して返したところ、次回に平地は楽になったが階段がダメと。ドクターに運動をしてることを伝えたら無理しないでいいと言われ、教えたことを箸尾ってやってるとのこと。
そこで時間をさいて再度、運動指導。施術後帰りには膝が笑っていました。こんなにやるのと言うので、鍛えるのと壊すのは紙一重。その個人の許容量に合わせてある程度は追い込みますよ。ここでやったのを家でやって下さいと伝えました。
1週間後に来院した際、何と階段が痛くないと言ってくれました。あれから毎日同じことを同じ回数同じ時間繰り返したら、5日後には階段の登り降りで足が交互に出るようになり、かなり楽になったとのことで、あんなことで良くなるんだと自分でもビックリしてるとのことでした。
関節の構造異常は注射や薬を飲んでも、マッサージや針をしても治せません。構造異常は手術しかありませんが、人間の組織構造は異常な箇所をどこかが補います。よって必ずしも構造異常が痛みの原因にはなりません。
リハビリでは関節可動域訓練と筋肉増強訓練の2つが軸。構造異常を筋肉で補ってもらい、関節可動域を広げる。
金井均整院も構造異常を治すことはできませんが、症状の除去緩和はできます。
適切な運動は立派な治療です。まだまだ良くなります。段階を見ながらやっていきましょう。