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世界の腰痛の扱われ方

人口の約半数が一生に一度は経験するのが腰痛。1/3が1年以上の痛みの慢性痛、1/5が生活の質に支障をきたす重症との統計があります。欧米のガイドラインによると、腰痛で原因の確定できるのは全体の15%、画像診断や医学的検査をしても分からない、または、必ずしも原因と特定できないのが85%とあります。原因が特定できるものに、圧迫骨折、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、骨がん、結核などの感染症、大動脈瘤や膵炎などの内臓疾患があり、画像診断や生理学的検査で確実に分かります。原因の分からないものに、筋力低下(サルコペニア)、筋肉疲労、肥満、妊娠出産、加齢、ストレスなどがあり、様々な要因が重なっているとされ、痛みの治療を複雑にしています。欧米や欧州では腰痛は精神的疾患としても扱われていて、85%の原因の分からない腰痛の50%は何らかの心理的障害があると証明され、運動療法(ストレッチや筋トレ)、マッサージ、うつ病治療に使われる認知行動療法(マインドフルネス)など、身体的精神的ストレスに対しての治療が第一の治療選択で、意外にも手術や薬物はその後の治療法の選択肢となってます。それは原因とされる組織を手術で取り除いても、何らかの症状が残る人が約30%~40%、10年以内に再発する方が同程度あるとの統計から、ストレスに対してアプローチすることから始まるとのことです。